アルゼンチン、12年ぶりにアウェーサポーター入場を解禁
サマリ
- アルゼンチンサッカー協会が、12年間禁止されていたアウェーサポーターの入場を解禁。
- 暴力事件と観客の死亡事故を受け2013年に導入された禁止措置を、段階的に再導入。
- ワールドカップ優勝メンバー、アンヘル・ディ・マリアのアルゼンチンリーグ復帰も解禁の動機の一つ。
- まずはブエノスアイレス州で実施され、他の州も追随を検討。
- 課題として、治安悪化を懸念する声や、警察官の配置による市民生活への影響が指摘されている。
アルゼンチン、12年間の禁止を経てアウェーサポーターの入場を許可
アルゼンチンサッカー協会(AFA)は木曜日、12年間禁止されていたアウェーサポーターの入場を解禁すると発表した。
2013年に発生した暴力事件、特に観客の死亡事故を受けて導入されたこの禁止措置は、現在のリーグ戦の次の試合に向けて、段階的な再導入の一環として解除される。
AFAのクラウディオ・タピア会長は記者会見で、「これは歴史的な日だ。アウェーのファンが戻ってくる始まりであり、希望するクラブがそれを受け入れることができるようになる」と述べた。
彼はまた、この決定はワールドカップ優勝メンバーであるアンヘル・ディ・マリアがアルゼンチンリーグに復帰したことへの興奮も動機付けの一つになっていると付け加えた。
禁止措置の背景と現状
この禁止措置はまずブエノスアイレス州で導入され、その後、他の地域にも拡大された。この措置はスタジアムでの暴力を根絶することを目的としていたが、いわゆる「barrabravas(フーリガン)」間の紛争による死亡事件がその後も発生し、効果は限定的だった。
AFAは、ディ・マリアが新たに加入したロサリオ・セントラル(ブエノスアイレスの北300キロに位置する都市のチーム)のファン6,500人が、厳格な警備体制の下、ラヌースのアウェーセクションに入場できると発表した。この警備体制には、参加するファンが適切に識別されるよう、指定されたチケットが含まれる。
関係者のコメント
ロサリオ・セントラルのゴンサロ・ベッロソ会長は、ライバルサポーターの存在が復活する中で、クラブのファンに対し適切な行動をとるよう訴えた。
ブエノスアイレスのハビエル・アロンソ治安大臣は、「訪問者が追い出された理由があるため、以前の状態に戻るつもりはない。暴力の文化を根絶しなければならない。10歳の子どもたちが麻薬について歌ったり、誰かを殺す必要があると歌ったりするのは悲しいことだ。旗や太鼓を持って、家族でお祝いするものでなければならない」と語った。
今後の展開と課題
今のところ、この措置はブエノスアイレス州のみに適用されるが、タピア会長は他の州もこの取り組みに参加する意欲を示していると述べた。
しかし、この計画には疑問も投げかけられている。ブエノスアイレス政府の反対派は、警察官をアウェーのファンを警備するために配置することは、治安の悪化を懸念する市民にとって不利益になると警告している。
アウェーファンの入場制限は、アルゼンチンのプロリーグの試合や他のディビジョンにのみ適用されていた。コパ・リベルタドーレスやコパ・スダメリカーナなどの国際大会では許可されている。
タピア会長は「これがサッカーファンと社会が望んでいることだ。多くの試合が両方のファンのために企画されており、それ故に、アウェーファンの入場再開を発表することにした」と述べた。
解説
アルゼンチンで12年ぶりにアウェーサポーターの入場が解禁されたことは、サッカー界にとって大きなニュースである。暴力事件をきっかけに導入された禁止措置は、根絶には至らず、社会全体に影響を与えていた。今回の解除は、サッカー文化の正常化への一歩となる可能性がある一方で、治安維持という大きな課題も抱えている。警察の配置やファンの行動など、慎重な対応が求められる。今後は、他の州への拡大や、国際大会との整合性など、さらなる議論が必要となるだろう。
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