テップス・ロックスリー監督、ロッカールームの求心力低下か? ペイ格差が影響
サマリ
- メリーランド大学フットボール部のマイク・ロックスリー監督が、NIL(選手の氏名・肖像権使用料)による報酬分配を巡り、2024年にロッカールームの掌握を失ったと告白。
- チームは4勝8敗と低迷し、Big Tenカンファレンスではわずか1勝にとどまる。
- ロックスリー監督は、報酬分配の決定が選手間の不和を生み、チームの成績不振の一因となったと認める。
- 今後はロッカールームの雰囲気を改善するため、外部からの持ち込みを制限し、一体感を重視する方針を示す。
- クォーターバックのポジション争いなど、チームにはまだ多くの課題が残されている。
マイク・ロックスリー監督:「報酬格差でロッカールームを失った」
メリーランド大学フットボール部のマイク・ロックスリー監督は火曜日、NIL(選手の氏名・肖像権使用料)による報酬分配を巡り、2024年にロッカールームの掌握を「失った」と認めた。この問題は、メリーランド大学にとって、ロックスリー監督が就任した2019年以来、最悪のシーズンにつながった要因の一つとなった。
チームは4勝8敗に終わり、Big Tenカンファレンスではわずか1勝しか挙げられなかった。メリーランド大学はNFLドラフトで指名された選手数(6人)が勝利数よりも多く、最後の5試合はすべて14点差以上で敗北した。ロックスリー監督は、成績不振の一因として、カレッジフットボール界における経済状況の変化を挙げた。メリーランド大学はNIL取引を通じて選手にどのように報酬を分配するかについて決定を下す必要があり、それが最終的に一部の選手間に不和を生み出したという。
「私はロッカールームを失った事実を認めます」とロックスリー監督はESPNに語った。「そして、これはロッカールームの帝王であるロックスリー監督が言っていることです。この状況下で、私は入ってくる若い選手に報酬を払うか、3回のボウルゲーム勝利を経験した年長の選手に報いるかを選択しなければなりませんでした。私は限られたリソースで両方を行おうとしました。そして、その結果が、持てる者と持たざる者がいるロッカールームです。」
経験から得た教訓
メリーランド大学で7シーズン目、FBS(フットボール・ボウル・サブディビジョン)のコーチとして通算10シーズン目を迎えるロックスリー監督は、この経験を選手、人間関係、そして期待をどのように管理するかについての「貴重な教訓」と呼んだ。メリーランド大学はロックスリー監督の下で、2021年から2023年まで3年連続でボウルゲームに勝利していた。
「(現在)私のロッカールームの外には、次のようなサインがあります。『ルイ・ヴィトンのベルト、財務諸表、車の鍵はロッカールームの外に置いてください。なぜなら、ここでは成功または失敗に対して同じ代償を払うからです』」と彼は語った。「もし私が自分の机をそのロッカールームに置かなければならないなら、そうします。貴重な教訓を学びました。」
NILとロッカールームの再構築
ロックスリー監督は、ハウス和解(NCAAに対するNILに関する訴訟の和解)とメリーランド大学が選手に分配する資金のおかげで、外部からの資金調達よりもロッカールームに集中できるようになったと述べた。
クォーターバック争い
メリーランド大学は、クォーターバックのポジションで疑問を抱えたままシーズンを迎えることになる。UCLAから移籍してきたジャスティン・マーティン、レッドシャツフレッシュマンのクリスティアン・マーティン、そしてESPNの全体ランキング134位にランクインした新入生の有望株であるマリク・ワシントンが、ポジションを争うことになる。他のポジションも同様だ。
チームの現状と課題
「私はこれを自分にとって脆弱性の年と呼んでいます。なぜなら、人々が私たちのチームについて尋ねるときに何を言うべきかについて悩んでいるからです。しかし、私はまだどのようなチームなのかわかりません」と彼は語った。「コーチとして、それが悪いことのように言う人もいますが、『わからない』と言うことは良いことなのです。」
解説
マイク・ロックスリー監督の告白は、NILがカレッジフットボール界にもたらした複雑な影響を浮き彫りにしている。選手への報酬分配は、チーム内の不和を生み、団結力を損なう可能性がある。ロックスリー監督は、この経験を教訓として、今後はロッカールームの雰囲気を改善し、一体感を重視する方針を示している。しかし、クォーターバックのポジション争いなど、チームにはまだ多くの課題が残されており、ロックスリー監督の手腕が試されることになるだろう。NIL時代におけるカレッジフットボールのあり方を考える上で、今回の告白は重要な示唆を与えている。
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